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最新更新日時: 2011年01月25日 04時52分
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まあ聞いてくれ。天地創造以来の最高の出来事といえば、七代目の国産みをおいてほかにない。
それまでの神々の御代は五人の独身の神々と六代の神の御代がそれぞれあった。そうして七代目の神々はつがいだったが名をイザナキ、イザナミといった。
七代目の兄妹神は先代の神々から、くらげなして漂うだけのこの俺たちの国を作り固めよという命令とともに沼矛をさずかっていた。で、浮き橋からくらげなす俺たちのこの世界をかきまわし、かきまわした挙げ句に塩とあぶくがまざって固まったものが今の兵庫あたりでおのころ島となり今では兵庫県南あわじ市沼島と呼ばれている。兄妹神はこの沼島にでかい御柱をみたてて御殿を出現させ住んだのだ。
で、兄神であるイザナキが妹神であるところのイザナミに体の調子はどうかと尋ねると、「私には成り成りて成り合わないところが一所ある」と言い、兄は兄で「俺には成り成りて成り余れるところが一所ある」という。で、成り合わないところに成り余る所を刺し塞ぐようにして、ここはひとつクニウミをしようじゃないか、という案をイザナキが出して「それは良い考えだ」ということになって、そうした。
「俺とお前と、この御柱を行き巡り、巡り逢って、ミトのまぐわいとしよう」とイザナキはのりたまい、イザナミとちぎる。
「お前は右から巡って、俺は左から巡るのだ」とちぎり、一巡りしたところで妹のほうが「あなにやし、えおとこや」と叫んだ。それから兄が「あなにやし、えおとめや」と叫んだ。
二人とものりたまった後になってから、兄が気づいて妹に「お前が先に言うんじゃない」と言ったが、とうとうヒルコ(蛭子)が生まれた。ヒルコは水子として葦の舟にのせられて流され、二人はさらに四国のほうに淡島を生んだがこれも流れた。
「どっちもだめだったな、アマツカミのとろこへ行こか」といって二人はアマツカミの所にお参りに行く。アマツカミは鹿の骨を焼いてうらないをして「女が先にもの言ったのがいけなかった。還って降りてまたやりなおしたほうがよい」と助言した。
それでもう一回、今度は兄が妹を先に見つけ「あなにやし、えおとめや」と叫び、妹が兄を後に見つけ「あなにやし、えおとこや」と叫んだ。
そうしたら淡路島が生まれ、次に、愛媛、讃岐、阿波、土佐からなる四国島が生まれ、次に、隠岐諸島ができ、次に、九州が生まれ壱岐島が生まれて対馬島、佐渡島ができて、最後に大倭豊秋津(オオヤマトトヨアキツ)島、つまり今の本州が生まれた。これらを総称してオオヤシマ国と呼ぶ。
それから二人は続いて六島(児島半島、小豆島、周防大島、姫島、五島列島、女島)を生んで国産みはぶじ終了した。
作成: 2011年01月09日 16時25分 / 更新: 2011年01月09日 16時33分

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