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最新更新日時: 2017年09月30日 13時06分
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Amazon.co.jp: 太りゆく人類―肥満遺伝子と過食社会 ハヤカワ・ノンフィクション: エレン・ラペル・シェル, 栗木 さつき: 本
太りゆく人類
 米国では6割の成人が太りすぎだ。中国でもここ10年間で肥満人口が6倍に急増するなど、肥満人口の拡大はとどまるところを知らない。ヒトはなぜ太るのか。肥満に関連する科学の進歩を解説しながら、その要因を探るのが本書だ。

 肥満は意志の弱さの表れである—。この見方は過去のものになりつつある。その理由は、肥満の遺伝学が進歩したこと、特にレプチンの食欲抑制ホルモンとしての機能が明らかになったことなどだ。研究を成し遂げたロックフェラー大学にアムジェン社が支払ったライセンス料は2000万ドルだが、これは抗肥満薬市場が1兆ドルを超える魅力的な市場だからだ。多くの製薬企業が抗肥満薬の開発に乗り出し、肥満の研究は一気に加速した。本書の中では、特にレプチン発見までの物語を中心に、肥満遺伝子の研究競争の様子を描く。

 しかし、筆者は一方で肥満遺伝子の発見と抗肥満薬の創製だけが、肥満を解決する手段でないことを強調する。抗肥満薬は副作用の危険をはらんでいるし、食品業界は莫大な広告宣伝費をかけて、消費者に安い値段で高カロリーを摂取することを勧めている。どんなに有望な抗肥満薬が登場しようとも、現在の過食社会が変わらない限り、肥満はなくならないと著者は警鐘を鳴らす。

作成: 2011年01月19日 07時30分 / 更新: 2011年01月19日 07時30分

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