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最新更新日時: 2010年02月02日 07時36分
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カニバリズム cannibalism
 人肉食は、死体を相手にしているかぎりは違法ではない。カニバリズムの要素は殺人に新たなおぞましさを加えるが、被害者を消費したからといって追加の容疑がかかるわけではない。したがって、チェイス、フィッシュ、ハールマンなどは殺人で裁かれたが、一方――飛行機事故などで旅に邪魔が入り――飢え死にするよりも亡くなった同行者を食べることを選んだ人たちは、たんにタブーを犯しただけということになる。
 重要なのは食料候補者が息を引き取るのを待つことである。1884年7月25日、ジョン・ダドレー船長は、喜望峰沖1600マイルを救命ボートで漂流していて飢え死にしそうになったため、キャビンボーイのリチャード・パーカーを殺して食べることにした。若者は今にも息を引きとりそうだったが、ダドレーは死神を出し抜いた。空腹を満たしたダドレーは苦境を切り抜けて陸地にたどり着いたが、殺人罪で起訴されてしまった。彼は弁護で「必要性」を申し立てたが、有罪判決が下り死刑を宣告された。最終的には、国王が彼を不憫に思い、六ヶ月で釈放してくれた。
 カニバリズムは、最近までアフリカの一部地域では日常的に行われていた。1888年5月11日、探検家ジェームズ・ジェームソンは、コンゴ最深部で奴隷商人ティップ=ティプと雑談していた。カニバリズムなどすべて旅行者の作り話だ、とジェームソンが言うと、返事がわりに、ティップ=ティプの部下の一人が少女をさらってきて短剣で刺し殺した。「三人の男たちが走り寄ってきて、少女の体を切り刻みはじめた」とジェームソンは日記に書いている。「最後に首を切りはなすと、一切れ残らず分配し、男たちはそれぞれの分け前を持って川で洗った。何より驚かされたのは、少女が死ぬまで一言も発さず、抵抗もしなかったことだ」 ティップ=ティプは雑談を再開した。1960年代にCBSのコンゴ特派員だったある人物は、部族の宴会に出たとき、自然死した幼児の肉(串刺しにしてローストしたもの)を出されたと回想している。

作成: 2010年02月01日 19時36分 / 更新: 2010年02月01日 19時36分

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