FICTIONS >> 帚木:ははきぎ I >>

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最新更新日時: 2011年12月31日 18時06分
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6.そっちこそ多く集え流してるんだろうに。すこし見ようか。
 と怨じてはみたが、やむごとなくてせちに隠しながされるべき物などは、かようなおおぞうなるこの厨子などにうち置き散らしながされるべくもあらず、それらはどこか深くとり置きしながされているはずで、ここのは二の町の心安きものばかりには違いなかった。片端づつ見ながら、「かくも様々なる物どもがまあ流れて参りました」と云ってみて、心当てに「それか、かれか」など問うなかに、言ひ当てるのもあり、離れたことを勝手に思ひ寄せして疑ってみせたりを、おかしく思われたようだが、言少なに、とかく紛らはしつつ、とり隠し流しつつ。かの君
 「そっちこそ多く集え流してるんだろうに。すこし見ようか。それからなら、こっちの厨子も心よく開きますよ」といい流し、
作成: 2011年01月30日 14時45分 / 更新: 2011年01月30日 14時46分

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